体外受精 自閉症リスク [報告のありかた]

夫でなくその父親の精子で体外受精をしたという話題がありました。
遺伝子としては完全な他人よりも身内です。
対外受精ですから、不倫でもなんでもありませんね。

でもなんか、そちら系の複雑な感想を持つ人がいるみたいです。

祖父でなくとも、対外受精というのはごく普通の受胎が困難な夫婦で試みるものです。
そのために、精子は小さな試験官のようなところに退避されています。
卵子でも冷凍保存になっている場合もあります。

やや生命力が落ちていると思われます。

そうすると、受精が成立したとして、期待される生命活動になっていない危険性があります。

それが、知的障害のような事態を引き起こすのではないか、と医学関係者は考えたわけです。
そういう調査をしているようです。イギリス・スウェーデン・米国が主となって。

で、ここで注意したいのは、心配されているだけだということです。
いまのところ自閉症との相関は認めらなくて、人口10万人あたりの知的障害発症率が18%高まることが統計的に認められるだけです。
ということは、直接関係はほとんどない。

体外受精でなくても、弱った父親の精子だとか、力のない卵子で受精がなされると障害のある子供ができる可能性はあります。
そういうカップルを集めて同じ調査をすると、知的障害発生率はこの数字よりかなり大きいのです。

統計をどう把握するか、というセンスの問題になります。何を合計して何と比較するか、です。18%高まるというのは何のデータと比較してか、というのが最重要だとおもいませんか。

数字で面喰ってわけのわからない判断をしないように。

こういう話のときにいつも困るのは、差別とか責任放棄とかになる発想が必ず起きることです。

あのとき父さんが酔っぱらっていたからお前みたいな出来の悪い息子ができたのよ、というのは親は冗談でいったとしても当人はひどく傷つきます。
それと近いことが話題にでてしまいがちなんです。


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