中国大返し 嘘? [ものの見方について]
中国大返しが嘘だという話があります。
信長暗殺を即知りえて、あっという間に毛利をだまして切腹服従させ、仇討をにおわせて他の武将を味方につけ、兵隊に十分食料を与えながらあっという間に京に戻り仇討をする。
これはあまりにも手間が良すぎておかしい。
普通いろいろ思いもよらないことがおきてそれを片付けながらやったのでないなら、幸運が重なりすぎておかしい。
その感想は自然だと思います。
これを考えてみたいと思います。
確かに、あたかもシナリオ通りに進んだようにしか見えません。やらせにしか見えないと言えばその通りなんです。
今の政権のトップが嘘をいっている疑獄の話ではありません。歴史的にそういうことがあったという話なんです。
だから、角度を変えてみてみませんか。
そもそも秀吉エピソードはそんなことだらけではないでしょうか。
彼は一夜城をつくりました。美濃の斎藤と戦ったときです。
出来上がった素材を5万部品一気にあつめて組み立てたので、一種のプレハブをやったといわれています。
このときは蜂須賀小六の一党が陰で協力したのではありますけど。
姫路の英賀城攻撃時は水攻めでたおしました。食料を断ったので降参するしかない。
高松城も水攻めでした。
戦術が官兵衛だとかそういうことはどうでもいいです。
それと、具体的にどういう技法を使ったか、もどうでもいいとしましょう。
これらは全部太閤側の記述です。英雄の天才行動の経過として書かれたものです。
現実にどうだったというニュースドキュメンタリーのような報告ではありません。
発端があって、結果がある、ということを説明するのに何を書いたって自由でしょう、という本質にかかわることです。
母が太陽を飲んだ夢をみて、天下をとる子ができた、というのも、ハメてかまわないエピソードです。
それを嘘だというならそのほうが大人げない。
むしろ中国大返しのようなストーリーを思いつけて、それを事実の結果を説明する手段として構成できるのだとすれば、作者として天才ではないでしょうか。
いろいろぼろぼろいろいろな事故や予想はずれもあったけど結果を実現したら武将として天才です。
それを奇跡の重積のような神話に作り上げたとすれば作者として天才です。
事実の歴史がある以上、どういう説明であれ「嘘」ではないのです。
そういう見方をすると、気持ちが楽になりませんか。
そういうことではないでしょうか。
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